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三谷てるみの「美肌学」
● 第4回 「シミ」「ソバカス」気になりませんか?
 年間で最も紫外線の強い時期は6月の夏至の頃と言われていました。しかし最近の発表では、実はピークはオゾン層の薄くなる8月だそうです。オゾン層の破壊が続くと冬期の紫外線量が増え、年中油断が出来なくなりました。というわけでスキンケアのメニューから紫外線対策は外せなくなりました。

 ところで一般に化粧品の説明書に書かれている『日焼けによるシミ・ソバカスを防ぐ』という言葉はいくつかの点で誤解されておりますので、検証してみましょう。
 この表現は厚生省が決めた言葉です。『日焼け止め』にも聞こえますし、『シミ・ソバカスが消える』様にも聞こえますが、結局は何を指しているのか不明です。でも化粧品メーカーはこの言葉しか使えないので、『日焼け止め(サンスクリーン剤)』といわゆる『美白用化粧品』の説明書に書くことにしております。
『日焼け止め(サンスクリーン剤)』は塗っていると日にあたっても紫外線を吸収したり散乱させたりして、肌が赤くなったり、黒くなったりするのを防ぎます。
いわゆる『美白用化粧品』というのはメラニンという色素を作りにくくして、一旦出来てしまったシミやソバカスを少しでも薄くしたり、又新たに出来るのを防ごうという化粧品です。
ですから『日焼けによるシミ・ソバカスを防ぐ』はあいまいな表現ゆえどちらの化粧品にも使われる様になりました。
 『日焼けを防ぐ』と『シミ・ソバカスを防ぐ』の2通りがあると理解して下さい。そして『日焼け止め(サンスクリーン剤)』かどうかはSPFとかPAとかで現している紫外線防止効果で判定して下さい。

 次にシミ・ソバカスと一口に言いますが、これもなかなか判定が難しい様です。
皮膚科学的に申しますとシミとは『肝斑』を指し、ソバカスとは『雀卵斑』を指します。
 先日の日本香粧品科学会での皮膚科の先生方の御発表では患者さんがシミと言っても肝斑以外に老人性色素斑や太田母斑も有り、又ソバカスと言っても雀卵斑は20%で残りの80%は小斑型の老人性色素斑や頬骨部青褐色母斑であったという事です。 いわゆる美白用化粧品は肝斑には比較的良い成績ですし、又雀卵斑も色が薄くなって目立たなくなります。でも老人性色素斑はちょっと時間がかかりますし、母斑はまったく手が出ません。これらは皮膚科でレーザーで治療してもらうに限ります。頑固なシミ・ソバカスでお悩みの方は一度皮膚科に行って相談されることをお勧め致します。
(予防とケアは「シミのABC」をご覧下さい)
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●開発者紹介> 三谷てるみ | 美肌学